アラウコの叫び/本編

第20話「支配者」

-とある山の頂-「若様、黒トカゲの血でございます。」ゴクッ幾つもの鳥の羽を頭から肩まで纏う派手な出立の人物が器に入った血を飲み干した。「悪くない、血は良いものだ。そう言えば、近隣ではリャマの血が吸われる事件が多発しているらしいな。」「ハッ!...
アラウコの叫び/本編

第19話「悪魔の乳房」

「どうやら向かってきているのは、たった1人の様だな。」カスティニャダは、剣を頭上に掲げて大袈裟な構えをとっている。その刹那、樹冠から沢山の木の葉が死神の頭上に降ってきた。ガッガッ、ガキンドシュ!死神は最初の連撃を防いだが、アマルの素早い追撃...
アラウコの叫び/本編

第18話「逸品」

-マジョケテ軍本陣-アイナビージョ「おお、敵が引いてゆくぞ。」マジョケテ「どうやらアウカマンの猛攻に恐れをなしている様だな。」アイナビージョ「右翼は右翼でミジャラプエ殿が相手の奇妙な戦術を一度の矢を射て黙らせてしまったそうじゃ。」マジョケテ...
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第17話「カタツムリ退治」

-マジョケテ軍前線右翼-クリニャンクとミジャラプエの連合軍は、漆黒の四騎士アロンソ、セペダの軍と対峙していた。軍が抜かれれば、中央前線軍が挟み撃ちされてしまう為、とにかく相手を食い止める事に尽力していた。ドシュルーミジャラプエは一度に矢を3...
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第16話 「漆黒の四騎士」

バルディビアはペンコ湾へ向かう道中でキラクラに住むモルチェ族の大規模な集落に辿り着いた。バルディビアはキラクラの丘に陣を敷き、この地の長達に和平の使者を送った。1546年2月11日、マジョケテ配下のマレアンデは兵200を率いて、バルディビア...
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第15話「開戦」

マプチェ族とスペインとの戦いの始まりは、1536年のレイノウェレンの戦いとも言われる。しかし、300年余りに渡るアラウコ戦争が本格的に始まったのはキラクラの戦いからかもしれない。西のモルチェ族、北と南のマプチェ族が集結し、レイノウェレンの時...
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第14話「交流」

-1543年 クスコ近郊/森林地帯-カスティニャダ「ロレンツォ用心しておけ。この辺りは道はあるが視界が悪い。」ロレンツォ「そうですね。あのヤナコナの感じを見ても、ピサロ様が暗殺された余波がまだありそうですしね。」エレロ「ああ、ここらで見慣れ...